いったい「何に」驚いていたのかを・・・予想しながら見てください
その日は、小雨が降る肌寒い日だった。私は、ある場所へ向かうためホームで電車を待っていた。
電車を待つ時、ほぼ間違いなく私は自動販売機の前に立つ。
決して買うことはなく、ただ暇を潰すだけなのだが、商品の選択や地域によっての値段設定を眺めているのが楽しいのだ。
そこに、日本の距離感をまだ掴めていないマレーシアかシンガポールから来たであろう家族が割って入ってきた。
それにちょっとムッとした私だったが・・・
すぐにその気持ちは消え失せた。
どうやら、その家族にとって自動販売機は珍しいモノのようだった。
嬉しそうにスマホで写真を撮り始め、ボタンを押して購入する家族。
これくらいならば街中でよく見る光景だったが・・・
急に娘さんらしき人が、目を見開きながら驚き出した。
何に驚いていたかというと・・・
飲み物が“ホットの状態”で出てきた
ことに驚いていた。
・・・それを見た私も驚いた。
自動販売機のホット機能なんて昔から存在しており、驚いたことなど一度も無いのに、この家族にとっては、目を見開くほど驚くことだったのだ・・・
最近では、安い“おもちゃ”にも反応しなくなった猫の目のようになってしまった私の目には新鮮に映った瞬間だった。
暮らしもある程度豊かになり、ちょっとしたことでは驚かなくなった今。
この家族のような幸せを見つけたいものだ。
最後に・・・
最近驚いたことと言えば、ディズニーランドのファストパスが「券」から「アプリ」に変わったことくらいかな。
それでも、この家族の驚きには勝てない。